Thursday, August 04, 2016

リベラル再起動をめざす研究者の鼎談

北田暁大・白井聡・五野井郁夫『リベラル再起動のために』(毎日新聞社)
北田は社会学者で、民主党に政策提言をした「リベラル懇話会」の事務局、白井は政治思想史研究者で、『永続敗戦論』の著者、五野井は民主主義研究者で、『「デモ」とは何か』の著者である。3人とも1970年代の生まれ。五野井によれば「北田さんがリベラル派、私が左翼、白井さんが極左という色分けでしょうかね」という。もっとも、「私は学問の方面からは保守主義者だと認知される」ともいう。左派やリベラル派が抱える課題を探る鼎談である。
はじめに
第1章     左派陣営の仕切り直し
第2章     国民生活のリアリティ
第3章     国家と憲法をめぐって
あとがきにかえて

このところ白井の本や鼎談を数冊読んできた。本書でも「永続敗戦論」を基本に切れ味の鋭い議論を展開しているが、北田や五野井と見解が異なる部分で、対立したりすれ違っているのが面白いと言えばおもしろい。