Wednesday, July 29, 2015

世界でもまれな軍国主義国家 ヘイト・ジャパンの病理

日本国憲法は平和憲法で、前文の平和的生存権と9条があるから、日本は平和主義と言う誤解がいまだに一部にあるようだが、日本は世界でもまれな軍国主義国家になりつつある。この一年間、アベシンゾーを先頭に、安全保障法案だの積極的平和主義だのと言葉をごまかしながら、議論しているのは、ひたすら軍事力の増強と、積極的行使である。防衛費(軍事費)は世界有数であり、人口密度ならぬ「軍人密度」も世界有数の高さだ。米軍と自衛隊という世界最強の軍隊が蟠踞している。
世界を見渡せば、スコットランドでは独立を目指す国民投票で議論が沸騰し、ギリシアでは経済停滞と債務問題で紛糾し、キューバはアメリカとの国交改善で沸き立っている。グルジアは西側への接近策の一環として国名発音をジョージアに変えて喜んでいるし、コスタリカではエコツーリズムに拍車をかけケツールの保護と宣伝にいっそう力が入っている。韓国はMERS騒ぎからようやく立ち直り、アメリカは大統領選挙に向けて各党候補者のさや当て戦が始まっている。
世界広しと言えども、日本のように年がら年中、軍事力の行使を正当化する好戦的議論にふけっている国は、紛争地のウクライナやシリアくらいだろう。

アベシンゾーは国会の場で特定の国を名指しに集団的自衛権行使を論じ、誹謗中傷を繰り返している。メディアはそれを疑うこともなく、むしろ議論を沸騰させる役割を果たしている。国家とメディアが上からヘイトを煽り、差別、憎悪、暴力を呼び込もうと躍起になっている。ヘイト・スピーチがインターネットから出て来たとか、ザイトク集団がはじめたというのは間違いで、国家とメディアが懸命になって特定国、特定民族に対するヘイトを煽り続けている。クール・ジャパンという目先のごまかしにもかかわらず、実態はヘイト・ジャパンだ。ナショナリズム、レイシズム、ミリタリズムに染まった日本で、あらためて憲法の平和主義を活性化していく課題は大きい。