Saturday, December 13, 2014

チューリヒ美術館展

最終日が迫って来たので国立新美術館に足を運んだ。チューリヒ美術館には3回ほど行ったし、授業でも取り上げたところだったので、多忙でもあり行くのが遅れた。平日の午後だが多くの客のにぎわいで、作品を見ているのか、人の頭を見ているのか、といった具合だった。チューリヒ美術館に平日に行けば、他に誰もいない状態でゆっくり見ることができるが、東京ではそうはいかない。モネの大作など、大勢の人が並んでいるため作品を見ることが できない。人の波が途切れるのをしばらく待たなければならない。
展示はセガンィーニに始まり、印象派、ナビ派、キュビズム、シュルレアリズムなど定番の構成。モネ、セザンヌ、ホドラー、バロットン、シャガー ル、クレー、カンディンスキー、ピカソ、マルク、ジャコメティなど、日本で人気の作家と作品がずらりと並び、大いに楽しめるが、ありきたりだ。構成に工夫がないのは残念。
チューリヒ美術館には、印象派以前にも、マテオ・ディ・ジョバンニのキリストとマグダラのマリアや、バルトメオ・モンターニャの十字架を担ぐキリスト、ドメニチオのキリスト洗礼の風景、ニコラス・プッサンの眠るヴィーナスとサティルスがあるのに、今回は来ていない。わかりやすい印象派中心の組み立ては結構だが、ちょっと。また、アンジェリカ・カウフマンやアンリ・フュスリもあるのに。

逆に、ココシュカのモンタナ、イッテンの出会い、タンギーの明日など、これまで見落としていた作品もいくつかあって、その点では良かった。