Tuesday, March 11, 2014

死刑を言い渡された親の子どもの権利パネルディスカッション

3月11日にジュネーヴで、国連人権理事会のサイドイベントとして、ベルギー・ノルウェー・モンテネグロ・メキシコ政府とクェーカー国連事務所主催のパネルディスカッション「死刑を言渡された親又は執行された親の子ども」が開かれた。                                                           主催者から日本のNGOに報告をとの要請があったが、この時期にジュネーヴまで来ることができないため、代わりにジュネーヴにいる私が参加することになった。ところが、主催者が出した案内に、私の名前もスピーカーとして発表されたので、日本の状況について報告しなくてはならない。日本のNGOにSOSを出して、もらった情報をもとに報告させてもらった。もっとも、この日は人権理事会で「人権と環境特別報告書」を巡る審議があり、そこで発言したので、ばたばたした。人権理事会での発言を終えて、パネルディスカッション会場に移動すると、私の前のスピーカーが発言を終えるところで、ちょうど間に合った。遅刻したので、ちょうど3.11なので人権理事会でフクシマの報告をしてきたところです、とお詫びから始めた。                                                                              司会:レイチェル・ブレット(クェーカー国連事務所)                                                                            スピーカー:メキシコ政府代表、マルタ・サントス・ペ(国連子どもに対する暴力特別報告者)、アン・クリスティン・ヴェルヴィク(子ども保護専門家)、ザヴェド・マフード(国連人権高等弁務官事務所員)、前田朗。                                                                                                          発言内容は、麻原の子どもが住民登録を拒否されたり学校に入学できなかったことを例として、凶悪犯の子どもが人権を否定されること。死刑囚となると、離婚や子どもの別離など厳しい状況になること。当局は子どもと死刑囚の面会にも理解がないこと。最近、父親が母親を殺した事例の子どもが勇気を奮って社会的に発言しているが、これまでそうした情報がほとんど入手できなかったことなど。                                                                                                                                ベルギー政府代表から、執行情報を当日まで教えないことと、子どもの面会の制限について質問があった。日本の刑事施設における「沈黙」の問題、受刑者特に死刑囚の「心の平穏」問題に絡むことで、おおむね答えたが、深くは説明できなかった。                                                                                                           他の参加者や司会からも質問が出たが、なぜ日本で重罰化が進み、世論が死刑を支持しているのかということと、最近のナショナリズム、歴史認識問題(慰安婦、靖国)、ヘイト・スピーチ問題、日本社会における不寛容について一般的なことを述べるにとどまった。