Thursday, May 23, 2013

侵略の定義について(3)

『侵略の定義』は有名である。1974年12月21日、国連総会は、国連憲章に従って、安保理事会が侵略があるか否かを判断をするさいのガイダンスを提供するために『侵略の定義』決議3314(XXIX)を採択した。この決議は無投票で採択された。             決議は、侵略は違法な武力行使のもっとも重大で危険な形態であるとした。第1条は、侵略を「ある国家による、他国の主権、領土または政治的独立に対する、または国連憲章と合致しないその他の方法での武力行使」と定義している。第2条は、国連憲章に違反する武力の最初の行使は、侵略行為があることの一見して明らかな証拠であるとしている。第3条は、宣戦布告の有無に関わらず、侵略行為であることを特徴づける行為のリストを掲げている。                                                                     (a)ある国家による他の国家領土に対する武力による侵攻または攻撃、または、そうした侵攻に引き続く、一時的であっても軍事占領、または武力行使による他国領土またはその一部の併合。                                         (b)ある国家の軍隊による他国の領土に対する爆撃、または、ある国家による他国の領土に対する武器の使用。                                                  (c)他国の軍隊によるある国家の港や海岸の封鎖。                                          (d)ある国家の軍隊による他国の陸軍、海軍、空軍、海兵隊、空船隊に対する攻撃。                            (e)受入国との協定によって他国の領土に駐留する国家の軍隊の、その協定によって設定された条件に違反した行使、または、その協定の期限を越えての他国の領土における駐留の延長。                                                        (f)自国の領土を他国の自由に使えるようにして、第三国に対する侵略行為の準備のために他国に使用させる行為。                                           (g)ある国家の部隊、集団、不正規兵または傭兵の送出であって、上記に掲げられたものに匹敵する重大な他国に対する軍隊の行為をもたらすこと、またはそれへの実質的関与。                                                                    第4条は、この行為のリストは網羅的ではなく、安保理事会がその他の行為が国連憲章のもとで侵略であると判断することがあると認めている。第5条第1項は、政治、経済、軍事その他のいかなる性質の考慮も侵略を正当化しないとしている。