Sunday, April 07, 2013

ヘイト・クライム禁止法(1)

スロヴァキア                                                               スロヴァキア新刑法は、人種的動機に基づく行為を犯罪化し、人種差別を宣伝・煽動する組織、またはその組織への参加を不法としている。国家が、人種差別を宣伝・煽動することや関与することも許されない。刑法は、インターネットによって、人種、国民、民族集団への憎悪を煽動したり、中傷する情報を流布することを犯罪化している。刑法第122条第2項によると、その犯罪は、書面による場合も、印刷物、フィルム、ラジオ、テレビ、コンピュータ・ネットワークその他同様の効果を有する手段を用いた流布によっても、または同時に二人以上の人の前で行われた場合に既遂となる。刑法は、被害を受けた人が異なる人種であることを要件としていない。同じ人種に対して行われた場合も、人種を理由としてなされたのであれば、訴追対象となりうる。刑法は、権利や自由を制限する活動の支持や宣伝を犯罪と定義している。ネオナチその他の運動への共感を公然と表明することだけではなく、ホロコーストを疑問視、否定、容認または正当化することも犯罪化している。                                                                          刑法の運用については、いわゆる保護された人に行われた加重犯罪(刑法139条)、国民、民族または人種憎悪、または皮膚の色その他の理由に基づく憎悪に基づく犯罪(刑法140条)、特に重大な方法による犯罪(刑法138条)の有罪率が増加している。人種的動機による犯罪について、人種差別と闘う目的で、訴追と刑罰に関する新しい原則が採用され、より重い刑罰が導入された。                                                           「人種的動機による犯罪と過激主義の廃止のための協調行動委員会」が設置され、警察やNGOと協力している。すべての形態の不寛容、外国人排斥、過激主義や人種主義の表現の事例に関する情報を収集し、これらと闘うための協調行動を策定している。                                                         2006年5月3日のスロヴァキア政府決定は「過激主義と闘う政策概念」を定め、過激主義の定義を行った。過激主義と闘うための効果的で包括的な努力をしている。さらに、人種的動機による犯罪については警察庁長官の指令の下にモニターが行われている。2007年10月1日、ブラチスラヴァ地方警察に青年・過激主義局が設置され、人種的動機による犯罪を監視している。                                                                                 加えて、「人種主義・外国人排斥監視センター」が設置され、人種主義と外国人排斥に関する情報収集、記録、分析を行い、内務省に提供している。                                                                    *                                                                                                          (人種差別撤廃委員会に提出された第6~8回スロヴァキア政府報告書(CERD/C/SVK/6-8. 18 September 2009)より紹介)