Monday, September 17, 2012

原発民衆法廷第5回広島公判


7月15日・広島(まちづくり市民交流プラザ)で原発民衆法廷第5回公判が開かれた。

広島公判は、原発民衆法廷全体の呼びかけ人に加えて、広島独自の呼びかけ人として、足立修一、岡原美知子、豊永恵三郎、日南田成志、藤井純子、森瀧春子、湯浅正恵、横原由紀夫が名を連ねた。また、元国際司法裁判所判事で、核兵器の投下は国際法違反であるとの判断を下したクリストファー・ウィーラマントリー国際反核法律家協会会長からメッセージが送られた。

 広島公判の主題は、第1に、原発そのもの及び原発事故の違法性・犯罪性であり、第2に、中国電力の島根原発及び工事が強行されようとしてきた上関原発問題であった。

 民衆法廷は原発の犯罪性を次のように指摘した。

 「原子力発電事故による最も深刻な被害は、放射能被曝による死亡または多種にわたる癌や白血病などの発病、さらには被曝の恐怖が原因の精神的疾患である。原爆攻撃の被害者、核実験場、核兵器製造工場、ウラン採掘場ならびにその近辺地域で被曝した人たちと同様、原発事故によって放出された放射能による外部・内部両被曝が、後発性の癌や白血病、心臓病などの内臓疾患、眼病など、様々な病気を引き起こすことは、チェルノブイリ事故の被災者、とくに幼児の発病ケースが多いことからも明らかである」。

 「これまで、『人道に対する罪』は、紛争時あるいは戦時にのみ犯される残虐な戦争犯罪の一種と一般的には考えられてきた傾向がある。しかし『人道に対する罪』とは、『戦前、戦中における、一般人民に対しての殺害・殲滅・奴隷的扱い・強制移動などの非人道的行為と、政治的・人種的・宗教的理由による迫』と定義されており、『戦前』、すなわち平時おいても起こりうる犯罪であるということを忘れてはならない。しかも、地震や津波によって引き起こされる過酷事故の場合には、必然的に無数の市民を放射能被曝の被害者にするということを明確に知りながら原発や放射能関連施設を稼働することは、『人道に対する罪』を予防しようとする意志が完全に欠落していることを表明している。したがって、原発の建設・設置そのものが、犯罪行為と称せるのではなかろうか。いわんや、地震が起きれば大事故を引き起こすような活断層の存在する地域に原発を建設することは、犯罪行為と言えるのではないか」。