Monday, August 06, 2012

総合知としての芸術の可能性


グランサコネ通信120806

Grand-Saconnex News. 120805



4日はジュネーヴ祭のオープニングで、レマン湖畔、モンブラン橋、イギリス公園はお祭りのさなか。観覧車、メリーゴーランド、空中ブランコなどにまじって、環境保護団体やアーティストの作品も。小さいのは、空き缶やペットボトルを利用した水車や楽器。大きいのは、ペットボトル素材を再利用してつくった大きなビンの形で、中に入ると、水の流れと音楽。



夜はジュネーヴ花火。本格的花火は祭りの最終日にあるが、4日はオープニングの花火。先週、7月28日は八王子祭りの花火大会を、JR八王子駅のペデストリアン・デッキから見た。4日は、モンブラン橋のたもとで、つまりすぐそばで花火を満喫。



5日は遊覧船でローザンヌへ。コペ、ニヨン、イヴワール、モルジェ・・・ローザンヌのウシから地下鉄でフロンへいき、大聖堂を歩く。



港千尋『芸術回帰論』(平凡社新書、2012年)



学問分野の文系、理系の行きづまりを前に、美術、「美系」という第三の系を設定し、文系、理系を総合した芸術の可能性を探る。人間知の特殊性、特化性を越えて、総合知を模索する場合、科学や技術とは別に、ひらめき、創造が不可欠なことは言うまでもない。近代資本主義のもと生産と消費に分断された生活様式と意識を、いかにして総合知に引き寄せることができるか。写真、広告、貨幣、建築、絵画、ビデオ、インターネット、色彩、光、文字、あらゆる領域を横断しながら、つくることへの回帰を説く。古典古代の芸術から、最新科学による表現の展開まで、つくること=アートの先端に立つと、人類史が違った相貌を見せてくれる。著者は写真家、多摩美術大学教授。